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削除ボーイズ0326
削除ボーイズ0326削除ボーイズ0326
(2006/10)
方波見 大志

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主人公が小学生なんですが、かなりすれてるんですよ。考え方が大人だし。こんな小学生いねーよっていう。そして彼の父が失踪。兄が引きこもり。友だちの一人がいじめられっ子。もう一人が事故で車椅子。ガールフレンドが不登校気味。

なんか現代的なテーマ性があるのかなと思っちゃいますよね。でもそこで重くなったり暗くなったりする必要、全然ないですから。結末まで読むと、兄の引きこもりの真相が判明し、いじめられっ子の友だちも不登校の女の子も、友だちができてハッピーエンドです。

作者はただストーリーを面白くする道具として失踪やひきこもりやいじめを持ち出してるだけで、そこんとこ、どう考えるかですね。生真面目に考える人はモチーフの扱いが軽いからけしからんとか、逆に楽しみたいと思ってる人はこういういかにもなモチーフ持ち出すなよ、と思うかもしれません。私もちょっとそう思って読んでたんですけど、純粋なエンタメだったのでそれならいいかと思い直しました。

主人公の親友が事故で歩けなくて、冒頭で削除装置を手に入れる。だったらまず彼が歩けるように事故の事実を削除しようと思いつきそうなもんですが、それは最後までまったく気づかない。気づくとこのストーリーが成立しなくなるから。

削除装置を冒頭で出しておきながら、そのこと忘れたように、廃墟ビルでの肝試しだの、学校で飼ってるウサギの世話がどうだの、マラソン大会で優勝したくて練習するだののちびまるこみたいな小学生の日常生活の話が続いて、なにをどうしたいんだよ、と思ってたら、ちゃんと最後に伏線になってて、ほっとしました。

まあそういう感じで、面白いストーリーを成立させるために、いろいろご都合主義的な部分があるわけですが、結果としてなかなか面白くなってるし、読後感もさわやかなのでよいと思います。

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ミステリ/エンタメ | 【2009-04-30(Thu) 22:17:45】 | Trackback:(0) | Comments:(0)
濃紺のさよなら
濃紺のさよなら (1967年) (世界ミステリシリーズ)濃紺のさよなら (1967年) (世界ミステリシリーズ)
(1967)
ジョン・マクドナルド

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いつ買ったかも思い出せぬまま本棚の片隅に未読のまま置かれていたものを読んでみました。

ストーリーが一本調子ですね。タフガイ主人公マッギーの一人称視点で語られ、冒頭、グラマーな美女チューキーが友だちを助けてほしいと彼に頼む。次にその友だちキャシイ(彼女も美女)がやってきて、事件のあらましを語る。敵役アレンはその時点で明らかにされ、最近船を買ったということで、船を売ったブローカーに会いに行き、船の名前を特定する。キャシイの妹に話を聞きに彼女の地元へ行く。アレンもかつてそこに住んでいたため、彼を雇っていた男に合って話を聞く。キャシイをひどい目にあわせたあと、アレンはロイスという女性と付き合い、そして彼女も捨てられたと聞かされ、ロイス(とりわけ美女)に会いに行く。最後までこんな感じで、手がかりが見つかり現場へ赴き、また新たな手がかりが見つかるという数珠繋ぎが続きます。

クライマックスでアレンと一騎打ちの乱闘になるまでは、さして乱暴なシーンはなく、というより、次々登場する女性がすべてマッギーに惚れていき、マッギーは彼女たちと寝たりときには断ったりして、皮肉を利かした寸評を加えます。

マッギーは大酒のみのはぐれ者ですが、義侠心に厚く、困ってる女性を親身に助けるナイトです。また、肉体よりも精神的なつながりを求めており、女性を尊敬しています。一方で、一人の女性に束縛されることなく次々と違う女性と交際できるよう都合よくストーリーが転がっていきます。

マッギーは飛行機に乗るとスチュワーデスに誘われ、重要な手がかりを知っている男に会いに行くと、彼の美人妻に頼りにされ、アレンの知り合いの女の子に会いに行くと彼女にベッドに誘われ、始終休みなく女といちゃいちゃし続けますが、主に交際する女性は三人で、まずはチューキー。23歳のダンサーで、彼氏に冷たくされた腹いせにマッギーの船のバスルームで彼を誘いますが、マッギーはやんわり断ります。次が依頼人のキャシイ26歳。彼女は貧しい家の生まれで、不幸な生い立ちの女性です。三人目がロイス。彼女は三十過ぎの離婚歴のある女性ですが、お嬢様学校を卒業したいいとこのお嬢さんで、マッギーは彼女をレディだと読者に耳打ちします。なんでしょうか、ビリー・ジョエルの曲で言うと、アップタウン・ガールってことなんでしょうか。おしとやかで繊細でフェミニン服ばっか着てる描写が続きます。どうもそういうところがマッギーの琴線に触れるらしいです。

実はアレンもそういう女が好きなんですね。ただしそういう女を支配し虐待することが。

マッギーは、ロイスを人類が六千年かけて生み出した美しく清純な女性であると考え、その対極に、猿のレベルで進化をとめてしまったようなアレンを置きます。

実際は、次々女をものにしていくのは、マッギーであり、ロイスもまたマッギーの虜になってしまうんですが。

この単純なプロットの小説においてエスカレーションしていくのは、暴力ではなく、セックスでもありません。なんとそれは、無頼ぶってるマッギーのロマンスなのです。冒頭で行きずりの女と寝て寂しく感じたピュアなマッギーが、若いチューキーを紳士的に諭し、薄幸の美女キャシイのナイトとなり、とうとう本物の淑女ロイスと心から結ばれていく。

つまりこれは、ハーレクイーンロマンス以前からずっとあった、男性向け恋愛小説の古典なのかなあ。

ミステリ/エンタメ | 【2009-04-29(Wed) 08:49:39】 | Trackback:(0) | Comments:(0)
子供たち怒る怒る怒る
子供たち怒る怒る怒る子供たち怒る怒る怒る
(2005/05/28)
佐藤 友哉

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誠に勝手ながら、表題作を図書館で読んだきりでレビューさせていただきます。

なんか引っかかってたんですよねタイトルが。神戸の震災と絡めた書評を読んだ記憶がありますが関係ないです。

連続殺人鬼が登場して、同じクラスの同じ班の仲良し小学生たちが、次に起こる殺人の現場と日時と被害者の性別を当てるゲームを始めます。

妙に現場を言い当てる子がいて、予知したと騒がれるんですが、予知は非科学的なので、彼女が犯人もしくは共犯らしいという、こういう感じの容疑者、何度も読んだことあるな、これでこの先どうひねるの? と思って読んでいくと、語り手の小学生が挙動不審になって、語り手が犯人? 多重人格? これまた何度も使われた手口だがそれをどう新しく見せてくれるの? と思って読んでいくうち、そのような伏線めいたものがはっきりしないまま、事件がスプラッター方向へエスカレーションしていきます。

それもよくあるパターンだなあ。SFとかミステリとか銘打って、出だしはそういう雰囲気かもしだしながら、結局クライマックスはいつもどおりの暴力とセックスもしくはホラー/スプラッターで尻切れトンボな愛すべきB級映画、腐るほど観た記憶があるなあ。

しかしそのようなすれた読者を振り向きもせず、次々と手垢のついたモチーフを取り出しては次々投げ捨て、一方向にストレートに進み続けるストーリー。どういう方向かというと、最初は転校してきた語り手の小学生だけがなにか問題を抱えているように描かれ、その子が新しいクラスで友だちと仲良くなっていくかのような出だしなんですが、仲間の子供たちもそれぞれ問題を抱えていて、それが明らかになっていきます。つまり、一人の子供の個人的怒りから、複数の子供の怒りへ、そしてそれがさらにもう一段抽象化されて、社会の理不尽さ一般への怒りへとエスカレーションしていきます。

そうしますと、この一風変わった表題も、実はこの作品のストレートなストーリーをそのままストレートに表しているのだと気づきます。

私は、評論家気取りで偉そうに解説してるつもりはまったくなくて、以上のような解釈は、ただ一読者としてこの作品の内容を把握しようとしたひとつの努力であるとご理解ください。

その上で言うならば、この作品は、シンプルな探偵物から始まり豊かで複雑に発達した現代ミステリから、よく知られてそろそろ飽きられているかもしれないモチーフをあえて思わせぶりに取り出して、次々投げ捨てながら、結局、全体のプロットは、探偵物以前の無邪気な冒険譚のようなシンプルストーリーへ回帰している、と感じました。




ミステリ/エンタメ | 【2009-04-20(Mon) 22:57:21】 | Trackback:(0) | Comments:(0)
道草
道草 (岩波文庫)道草 (岩波文庫)
(1990/04/16)
夏目 漱石

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そう言えばこれ、まだ読んでなかったな――。
本棚の片隅に角川文庫版の道草を見つけて手にとってみました。
いわゆる神視点で描かれており、主人公健三の気持ちにも妻お住の気持ちにも入り込んで心理描写があります。二人の仲がうまくいかない様子が描かれていて、それだけ読むとちょっと暗い気持ちになります。

話は主人公健三の生い立ちに及び、彼が強情で冷淡な性格になったのには、欲得ずくで彼を育てた養父母や、まったく愛情を示さなかった実父の影響があるのではないかと思わせます。

けれども、これが自伝的要素の強い作品で、作家として成功し経済的にも裕福になった現在から、貧乏だった若いころを振り返って書いているのだと思うと、また別の感慨が生まれてくるようです。

たとえば、姉の夫をモデルにしたという比田は、相当俗物に描かれていますが、本人が読んだら、たとえ事実だとしても不愉快だろうし、今だったら名誉毀損で訴えて勝てそうな気がしますが、そこはベストセラー作家の威光でごり押ししたってことでしょうか。

そして当然、漱石の妻も読むでしょうし、そうしますと、口では言えないものの内心では妻を心配している様子が事細かに描かれていて、それを読めばうれしいにちがいないでしょうに。神視点で妻の心情が描かれているところも、現実の妻からすれば、夫から、「おまえはあのとき実はこう思ってたんだろう?」と言われているような感じがするのではないでしょうか。

小説としては、愛情をうまく表現できず妻と折り合えない夫を描きながら、それを実の妻が読むことを想定して語られているところを鑑みるに、どうやらこの道草は、夫から妻へのラブレターのように思えてきます。

比田と長兄の会話も、話の内容は暗いのに、やりとりに落語のような滑稽味があって、どこかユーモアを失わないところが、ベストセラー作家・夏目漱石の面目躍如たるところではないでしょうか。

純文学・随筆/その他 | 【2009-04-19(Sun) 10:21:51】 | Trackback:(0) | Comments:(0)
重力ピエロ
重力ピエロ (新潮文庫)重力ピエロ (新潮文庫)
(2006/06)
伊坂 幸太郎

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小説は自由に書いてよい、ではなくて、自由に書かなければならない、と気づきました。

たとえば本書の75頁を開くと、「ミステリにおける退屈な手続きⅠ(今までのあらすじ)」という小見出しがあります。

これは、ひとつには、ミステリにおける手続き(今までのあらすじを一度振り返る)という使い古されたモチーフを使ってますよ、ということです。もうひとつは、それが形骸化し、それが本来携えていたテーマや機能というものが捨て去られてますよ、という意味でもあります。

かつて、フォルマリストたちが、時代を経て多くの小説が繰り返し同じモチーフを好んで利用することに注目したのは、それが主にパロディの技法として、新しい小説に新しい息吹を吹き込むと考えたからでした。

基本的なストーリーは出尽くしたとか、ストーリーにはいくつかの基本形があるとか、そういうつまらない俗説は、それ自体まず間違ってるし、それに、そういうことを言う連中が、その根拠にしばしばフォルマリストの名前を挙げるのも、まったく勘違いですからやめてください。

基本的ストーリーというものはないし(なぜならそれが基本となった瞬間すぐにパロディ化するから)だから基本的なストーリーが出尽くすこともありません。

ピエロがまるで重力がないかのように軽々と演技するように、才能ある作家は、軽々と類型を乗り越えていきます。

これはそのような志をもった小説であると思います。

ミステリ/エンタメ | 【2009-04-11(Sat) 08:16:51】 | Trackback:(0) | Comments:(0)

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