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欲望の植物誌 人をあやつる4つの植物

欲望の植物誌―人をあやつる4つの植物欲望の植物誌―人をあやつる4つの植物
(2003/10)
マイケル ポーラン

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まずこの人――この本の著者は、植物が好きですね。自分の家の庭に種をまき、お好みの植物を育てるのが子供のころからの趣味なんですね。それは、庭弄りとか、庭園を造るとかよりは、植物そのものへの興味が先立っていて、珍しい野生のリンゴを植えたりジャガイモを収穫したり、かつてはマリファナを育ててみたこともあるそうです。

それから、彼には小説家のような描写力があります。冒頭では、アメリカの伝説的人物で、アメリカを横断してリンゴの木を植え続けたというジョン・チャップマンが19世紀の初めにオハイオを川を下っていくシーンが生き生きと描かれます。

これはねえ、まず、植物についての科学的知見が必要ですね。それからそのような科学的事実を興味深いアングルから見つめなおすジャーナリストとしての識見。そしてそれを一般向けにわかりやすく説明する文章力。その中には小説家裸足の描写力も含まれている。こういう総合力を持った書き手が科学的にもジャーナリスティックな目でも現代的でおもしろいモチーフを取り上げて、一般向けノンフィクションを書き、それがベストセラーになる。アメリカって豊かな国だなあ。そしてそういうのを小まめに邦訳する日本の出版社がある。

とにかくこうゆう本はおもしろいですね。おもしろいだけでなくてなにがしかの科学的で現代的な知識に触れて、ちょっと頭がよくなったような感じもするし、そういう満足感もありますね。

そもそもの興味のきっかけは、なぜ麻薬の原料となるような植物が存在するのかということでした。麻薬となるような植物は、人間が一生懸命育てるので、生存競争でほかの植物よりも有利なのかなあと思ったり。本書でも触れられていますが、リチャード・ドーキンスの「利己的遺伝子」これ発売されたときとても話題になって私も読みました。つまりそういう見方からすると、麻薬だけじゃなくて、リンゴもジャガイモも、人間の興味をひき役に立つ性質を持つことによって、人間に守られ育てられ、他のどの植物と比べても特段に繁栄している、だからこれはそういう植物の側の意志に人間が操られている、ということなんですね。

それではチューリップはどうなんでしょうか。チューリップは甘い果実も実らずおいしい塊茎も作らない。いやちょっとググってみるとオランダでは食用のチューリップも栽培されているそうですが。とにかくいわゆるオランダのチューリップ熱についてはどこかで耳にした記憶はあったのですが全体どういう事件だったのだろうとずっと気になってたところ、この本で大きな章を割いて詳しく説明されていて、のどの小骨がとれたというか、溜飲が下がるというか、長年のしゃっくりがとまったというか、背中のね。肩甲骨の内側がずっと痒くてね。子供のころだったらおばあちゃん背中かいてかいて、言ってね、かいてもらいましたけどね。本当におばあちゃんというものは、与えてもらうばかりでなんのお返しもできずに死んでしまう存在ですねえ。おばあちゃん、ありがとう。ちょうどそういう、かゆいところに手が届く、楽しい作品でした。

お薦めです。





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評論/ノンフィクション | 【2012-06-10(Sun) 12:55:11】 | Trackback:(0) | Comments:(0)

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