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カールじいさんの空飛ぶ家
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(2010/04/21)
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次の行から完全ネタバレで最後のオチまで触れますので未見の方はご注意願います。
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著名な冒険家、チャールズ・マンツに憧れるカール少年は、同じく冒険に憧れる女の子、エリーに出会い、いつの日か、マンツが探検した南米の秘境に行こうと約束します。

いつしかお転婆だったエリーは美しい女性に成長し、カールは彼女と結ばれて、長く幸せな結婚生活を送ります。何十年かが過ぎ、二人がすっかり年老いたのちに、エリーは病気になります。カールは、日常にかまけて、また経済的な理由もあって、彼女との約束を果たしてないことに気づき、南米へのフライトチケットを購入しますが、時すでに遅く、エリーは病死してしまいます。

この冒頭と対になるのが、終盤で老人カールがアルバムをめくるシーンです。子供のころの写真を見つつ二人で南米に行くという約束を思い出して悲嘆するカール。そしてアルバムを閉じようとしたとき、偶然、次のページがめくれて、成人し結婚した後の二人の写真がのぞきます。カールがページをめくるたび、楽しかった結婚生活の写真が次々現れます。この時点で、マンツは悪人であることが判明しており、子供のころの彼への憧れは打ち砕かれています。

さてそうしますと、この結末が示すテーマは明確で、エリーを失った悲しみ・彼女との約束を果たせなかった後悔・冒険と冒険家マンツへの憧憬が一体となっており、それと対比して、日常的であり経済的にも豊かではなくその意味で冒険とは正反対の長く幸せだった結婚生活が浮かび上がり、そのすばらしさに気づく、というのがこのストーリーのオチなわけです。

常識的で納得のいく結末ですね。
自分の持ち家をエリーと名付けそれに執着する冒頭から、家を失い、家はただの家に過ぎない、と言う結末への変化もまた、このようなテーマ性を指示しています。
そのような冒頭と結末に挟まれた間の冒険譚は、うがった見方をすればすべてカール爺さんの心象風景といえるかも知れません。

ところで、そのような中間部分のファンタジーが単に荒唐無稽というだけでなく読者を納得させるためには、ディテールが腑に落ちるものである必要があるのでしょうが、どのようなディテールにリアリティを感じるかについては、文化的・時代的そして個人的差異があるでしょう。

たとえば、「千と千尋の神隠し」では、神様向けの湯屋は想像物ですが、湯気立つ銭湯一般の記憶とか、襖で仕切られた座敷で宴会が行われている騒ぎを襖越しの暗い廊下で聞く感じとか、路面電車に子供独りで乗るときの心細さとかは、日本人ならだれでも実感として知っているので、知らず知らずのうちにリアリティを感じてしまうわけです。

対して、カール爺さんの場合、犬が話の途中で「リスだ!」と叫んで一斉にあらぬほうに鼻面を向けるシーンが繰り返し登場しますが、日本ではリスというと森に住むシマリスしか思い浮かばないのではないでしょうか。しかして北米では、公園なんかに、日本人の目からするとさしてかわいくないようなねずみ色の大型のリスが生息しているようで、おそらく犬を散歩に連れて行くたび、リスに気を取られて主人の言うことを一時的に聞かなくなる犬が続出しているのではないでしょうか。だから北米地域では、あのシーンを笑いながらも、ある、ある、と思うことができるのでしょう。

他にも、犬が木の実をボールだと思って、それをほうるとすべてを忘れて一心に木の実を追いかけ、口にくわえて戻ってきて、よだれのべっとりついた木の実をうれしそうに尻尾を振って人間に返そうとしたり、こういうあたりがリアリティを裏打ちする描写として用意されているのでしょう。

マンツがなぜ悪人かというのも、そのような常識に頼っていて、秘境に住む未知のドードーみたいな鳥を利欲のため捕まえようとするからですね。カール爺さんはすぐにそれを見抜いて新種の鳥を助けようとするわけですが、ここには、冒険家が新種の生物を殺して標本にして持ち帰っていた昔と、とにかく鯨でも熊でも象も虎も犀もそうでしょうが、最近伸してきた、絶滅危惧種を助けることがすべてに優先する絶対善であるといったシーシェパード的過激環境保護思想があって、ここでは後者の立場に立って初めてリアリティを感じることのできる仕掛けなのですね。

あるいは、マンツの手下の犬たちの中に一匹だけ間抜けな奴がいて、そいつはどういうわけかカール爺さんに会うなり、彼をご主人様と思い込んでしまうんですがね。なんでなんですかね。カール爺さんがいい人で、ドードー鳥を助ける側だってことは、マンツ側の犬が急にカール側になる理由としては弱いような気がしますがね。でも、ロシアの女スパイがすべからくジェームス・ボンドに惚れるように、カールが善だから寝返って当然ってことなんでしょうかね。これを受け入れるためには、ドードー鳥救出が絶対善というシーシェパード史観にどっぷりつかっていることが前提になっており、私は少々抵抗を感じました。

テーマそのものが特に新規性のない常識的なものである場合であっても、それをプロットの展開によって伝えるためには、読み手のコモンセンスに寄って立ち、それを礎としてモチーフを積み上げることによってリアリティを担保する必要があるわけですが、コモンセンスに地域的・時代的・個人的揺らぎがあるために、万人に100%賞賛されるエンターテイメントを作るのは微妙に難しいのですね。とは言え、この映画のテーマは最初に述べたとおり、愛する人を失ったときどのようにそれを克服するのか、というものであると思いますし、それについては十分納得できたし、とても胸打つよいテーマであると思います。

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映画/ドラマ/アニメ・マンガ | 【2010-01-10(Sun) 07:19:31】 | Trackback:(0) | Comments:(2)
コメント

初めまして、最近この映画をDVDで観た者です。
マヌケな犬(ダグ)がカール爺さんに寝返る理由についてですが、これはDVDのおまけ編で明かされておりましたよ。
既に知っておられたらすみませんが、参考までに。
突然の乱文、大変失礼致しました。
2011-02-18 金 20:02:48 | URL | ケビン大好き #- [ 編集]
ケビン大好きさん、二ヶ月もほったらかしですみませんでした。
まったく人気のないブログなのでコメントのチェックを完全に油断していました。
寝返る理由、よろしければ教えてください。
2011-04-17 日 18:34:46 | URL | 朝野十字 #- [ 編集]
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